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自費診療と保険診療について

☆自費診療の特徴(メリット)
①妥協をしない治療が可能
保険診療においては、国が治療の対価として細かく点数を決めており、治療の対価が低い現状においては、時間をかけた丁寧な治療を行うことが厳しいと言わざるを得ないのです。
少々言い過ぎかもしれませんが、国の考えではとりあえず短期的に痛みが無く食事が出来れば良いぐらいの質の治療を保険でカバーするというスタンスなのです。
長く持つより綺麗は自費治療でと国も公言しているのです。

②時間を充分にかけられて材料に制約がない

例えばかぶせ物を作るとします。
大事なことは綺麗な型採りをすること。その為には引き締まった歯肉であることが大事で、精度の高い仮歯を作り上げることで歯肉が引き締まります。これには数回のアポイントが必要で毎回かなりの時間がかかります。しかしながら仮歯の点数はほぼ認められていません。仮歯に時間を費やせば費やすほど不採算になります。

また正確な型採りの為には綺麗に滑らかに歯を形成することが大事です。
その為には多くの種類の形成器具を使用します。それも時間をかけて丁寧にです。

型採りには精度の高さも大事な事項です。
保険治療では寒天、自費治療ではシリコンを使いますが、シリコンの方が確実に精度が高いのです。
シリコン印象材は大変高価で保険治療に使うと赤字になってしまいます。

大事なことのもう1つはかぶせの材質です。
保険治療では12%金銀パラジウム合金かプラスチック(コンポジットレジン)
自費治療では金プラチナ合金(金80%)かセラミックとなります。
金プラチナ合金の良さ、12%金銀パラジウム合金の問題点及びプラスチックの問題点はトピックの中で述べておりますのでご覧下さい。

セラミックについては診療詳細の中の⑦⑧セラミック(メタルセラミックとオールセラミック)をご覧下さい。

③優れた技術を持つ技工士に依頼できる
歯科技工士には仕事内容に関して3パターンあります。
保険専門、保険と自費両方、自費専門
当院では自費の製作物は自費専門の技工士に依頼しております。保険内と自費で製作物のクオリティに差があるのは否めないところです。
このクオリティの差は耐久性にすごく影響します。
歯科治療の大半は歯科医と技工士のコラボレーションです。
それ故に妥協しない精神を持ち、精緻な技工物がイメージでき、それを具現化できるだけの技術を持ち合わせ、お互い(歯科医と技工士)が意見をぶつけあえる信頼関係、加えて患者さん第1の思想を共有できることで補綴物のクオリティが格段に上がると私は考えます。

④歯科医師の気持ちの問題
保険だといい加減にやってしまうということではありませんが、
自費治療ではすべての過程に対して慎重に臨む心を持ち、やはりかける(費やす)時間に差が出てきてしまうのは仕方がないことかと……。
また自費専門技工士の技術を引き出す為には、
歯科医が丁寧な仕事をした上で歯科技工士に委ねることが非常に大事なことだと考えます。

⑤治療の選択肢が増える
歯を1本抜歯してしまったとします。
保険だと部分義歯か12%金銀パラジウム合金でブリッジの2択になります。
自費だと部分義歯(メタルフレーム)、プラチナゴールド合金でブリッジ、メタルセラミックブリッジ、オールセラミックブリッジ、に加えて 
インプラントと選択肢が増えます。

*自費のそれぞれの治療では保険に比べて高価になるというデメリットを除けば、
患者様にとって様々なベネフィットがあります。
それぞれの自費診療の詳しい説明は診療詳細の中の詰め物被せ物の選択は迷いますよね?をクリックしてご覧下さい。

☆ 保険診療の特徴(総論的な観点で)
日本においては国民皆保険という素晴らしい制度があり
「誰でも」「どこでも」「いつでも」保険医療が受けられる体制が確立されています。一方で国民医療費は増大の一途で、このままでは国民皆保険制度を維持するのが難しくなってきていることは皆様ご存知だと思います。
このような背景から歯科治療においても保険制度の中で質の高い治療を行うことが難しくなっているのが現状です。
反して患者様の「質の高い治療を」という要求度はアップしてきていることは日々感じるところであります。
以前は「とりあえず痛みが取れれば良い」「とりあえず噛めれば良い」「そのうちに入れ歯になるんだから」と悪くなること前提の考え方だったように思います。
しかし現代では考えは変わり”8020″すなわち「80才で20本歯を残したい」「入れ歯にはなりたくない」「長生きしたいので歯も大事にしなければ」「クオリティオブライフの維持の為には歯が大事」と皆が思うようになりました。
素晴らしい意識の変化だと思います。
しかしながら昭和30年代40年代50年代のむし歯が溢れていた時代とさほど変わらない保険治療点数では現代の歯科治療に対するニーズに応えるのがいささか無理があると考えます。
当院では自費治療の良さをご説明は致しますが、自費治療を強く奨めたりは致しません。決めるのは患者様なのですから。そして保険治療も大切に考えておりますし、保険治療だからといって極端に気を抜くという事は決して致しませんのでご安心ください。